漫画=暴力的な子供に育つ。
ヤマギシでは漫画やゲームは暴力的な子供に育つとして完全に禁止されていました。今回は漫画にフォーカスして書いてみます。当時は「キレる」と言う言葉が流行していました。
一般家庭で育った子供はキレやすい子供に育つ。その原因は漫画やゲームのせいだと一方的に決めつけて世間と関わりを持たせない様に、今いる環境に疑問を持たせない様に、こう言う仮想敵国を作って攻撃するのはヤマギシの得意分野なのです。
漫画に関して全てが悪いと何故言い切ってしまうのでしょうか。確かにドラゴンボールや幽遊白書など当時子供に大絶賛だったのは暴力的なシーンがあるものだったのかもしれません。しかし、社会的な正義感だったり、弱きを助け、強きを挫くなど任侠的な要素も盛り込んでおり、必ずしも悪と決めつけるのもおかしな話だ。
また、当時はスラムダンク(一部喧嘩したりはあるが)を読んでバスケットボールをやってみようと思う子供達がたくさんいました。どうしてそんな極端な思考に至ったのか全くもって意味が分かりません。料理の知識や世の中のしくみ、歴史や文化を織り交ぜて書かれた勉強になる漫画も沢山ある筈です。結局のところ、子供の為と言いつつ、自分達の都合の良いようにコントロールしたかっただけなのです。
そうして規制で縛った結果、こっそり漫画を読む事を覚えます。学校では一般家庭から通っている子供達に週刊誌やコミックスを貸して貰ったり、要らなくなったものを貰ったり、学校の帰り道のスーパーマーケットで立ち読みしたりと様々な手法を取ります。
当然ながら世話係にバレると酷い仕打ちを受けるので、漫画を読む為に見張り役を立てたり、トイレでこっそり読んだりしなくてはなりません。そもそも漫画を読んだぐらいで暴力的になるのであれば、世の中もっと荒廃しています。
一方、大人に関してはどうだったかと言えば、漫画も他の娯楽と同様にヤマギシの施設に申請すれば購入して貰えます。子供からありとあらゆる自由を奪っていながら、自分達は悪びれもせず恩恵に預かるなど、こんな理不尽な話はありません。
当然ながら規制されていた分、ヤマギシを出てからは過去の分を取り戻す為に数千冊もの大量買いをしたり、何日も漫画喫茶に入り浸ったりと漫画ライフを思う存分過ごしたのは言うまでもありません。子供を抑圧させ過ぎると絶対に爆発するいい見本です!