懺悔。お小遣いがあれば…
ここまで規制されている生活なので、当然お小遣いなんてものは存在しません。お金を使う場所に行く事すら許されていないので、それも当然の話です。中には学校の修学旅行で生まれて初めて買い物をしたなんて子供もいるぐらい酷い状態でした。
幼少期からお金の使い方を勉強してこなかったせいで、ヤマギシを出た後、抑圧されていた生活から解放されたのもあり、服などをクレジットカードで大量に購入し過ぎてしまい、その結果借金で首が回らなくなり自殺した子供もいた様です。
それでは、全員がお金に触れる機会がなかったかと言えば自分や身近な仲間にはありました。学校ではカードダスでの賭け事が流行っていたのでイカサマを使ってカードを巻き上げ転売したり、教材費を盗んだり、親や他人の財布から抜き取ったり、世話係が持つ個室に忍び込んで盗んだり、神社からも賽銭泥棒をしたりしていました。
しかも、1回とかではなく何度も行っており、一番多い時には十万円近くも所持していたので半端ない犯罪者だったのです。当時、罪悪感はなかったと言えば嘘になりますが、こんな環境だから仕方ないのだと自分や仲間に言い聞かせて悪事に手を染めていました。
そのお金で携帯型テレビを購入したり、お菓子を買ったりと色々しましたが、大半は殆ど使わず、将来ヤマギシを出た時の為に隠し持っていました。あるとき、世話係にバレて没収される事になり、散々殴られ、色々な所に謝罪に行きました。犯した罪は悪い事でしたが、もしあの時お小遣いが貰え、少しでも自由があれば、あそこまではしなかったと悔むばかりです。