【イベント】騙しの完全テクニック!子ども楽園村。
ヤマギシでは一般家庭の子どもを勧誘する目的で子ども楽園村と言うものを開催している。基本的には1か月に1回の開催で集まった子供たちで一週間の共同生活を行う。(過去には2週間の時期もあった)ヤマギシの生活を体験し、最終的にはヤマギシの学園生になって貰うのが目的であった。
しかし、過去にはずさんな管理で2日間もバスの車内に子供が取り残されているのに気付かず、脱水症状で死亡させた事件も起こっている。しかも、隠蔽しようと画策したのか発見から8時間も経って警察に連絡していると言う怪しげな行動も取っているのだ。
そんな事があったにも関わらず、当時は大きな騒ぎにもならず、現在でも小規模ながら楽園村が続いているので驚きである。夏休みの開催回数は特に多く、最盛期には何と1万人もの子供達が親に連れられて参加した。参加費も決して安いものではなく3万7千円と結構な金額であり、単純計算でヤマギシは夏の楽園村だけで4億円近くもの利益を上げていた事になる。
しかし、この楽園村と言うものはヤマギシの負の箇所を見せないパフォーマンスであり、言わば授業参観なのだ。ヤマギシの生活に合わせる為に朝食や間食、テレビやゲームの類はないのだが、それを除けば林間学校に近いものがあり、おそらく都会の子供たちにとっては新鮮だっただろう。
初日は何も分からず親と引き離されて泣きわめく子供が多いのだが、順応性が高い子から次第に打ち解けていく様になる。20人ぐらいのグループに分かれて行動し、牛や豚に餌をあげたり、鶏の卵集め、野菜の収穫などヤマギシ内での仕事を体験として行う。本来、ヤマギシの子供も農作業などをやらせるのであれば、この位置付けでなければいけないのだが、明らかにあれは労働力として扱われていた。
また、楽園村では一日中遊ぶ事を目的とされていた為、室内ではハンカチ落としや落ちた落ちたなどのレクリエーションゲーム、外では虫取りやオリエンテーリング、ドッジボールやキックベースなどが行われていた。普段、習い事や塾ばかりの子供ほど開放的になれたのかもしれない。当然ながらヤマギシの光の部分しか演出しないので学園の子ども達が日常的に受けていた体罰など皆無である。
そんな楽園村が楽しくてヤマギシの狙い通り、親に頼みヤマギシの学園生になった子供も一定数誕生した。最初は元気で明るい子だったのが入ってみるとその温度差に驚き、次第に卑屈になり荒んだ心を持つ様になったのは言うまでもない。